父の初盆の為、夏休みは家族皆でほぼ実家におりました。
初盆の片付けの為、提灯などを片付けていると、今まで見たことの無い手紙やら写真が出てきました。

軍事郵便と書かれているので、戦時中に祖父が祖母に送った手紙です。
その当時は、番地もなく郵便が届いたのですね。
祖父に申し訳ないと思いながらも、中を読ませていただきました。

軽い気持ちで読み始めてしまったけれど、内容は、軽いものではありませんでした。
お仲間が負傷したり戦死したという事が書かれているもの。
生きて帰りたいと願っている祖父の気持ちが表れているもの。
祖父が祖母や子供、祖父の両親や兄弟を思いやる内容。
私が小学校3年生で亡くなった祖父。そんな私の記憶に残る祖父は、優しかったけれど、多くを語る人ではありませんでした。
その祖父が、思っていたこと。生きるか死ぬかで大変な思いをし、仲間をすぐ近くで亡くしてきた事。子供を亡くしていたこと。
初めて知る祖父でした。
昔、祖父を知る方から、「昔お世話になったんだよ。」「おじいちゃんはね・・・」と祖父への感謝を言われることも多かった程、人徳のあった祖父。
祖父のお葬式では、戦友の方が、「戦争には生きて帰ったのに病気に負けるなんて」と祖父の前で号泣していた方もいました。
人に慕われていた祖父。
私は幼すぎて祖父の事をちゃんと知らなかったけれど、手紙を通して初めて身近に感じる祖父です。
この手紙を書いている祖父は今の私よりもかなり若いはず。
そんな祖父がどんな思いをして、どんなことを体験して、私のおじいちゃんになったのか知らなかったけれど、無事に戦争から帰り、父を授けてくれたから私がいる。
そして息子がいます。
色々な思いがこみ上げてくる手紙でした。
戦後75年。
ドラマの中だけではなく、どこのご家庭のご先祖やおじい様おばあ様が経験していた戦争。
忘れてはいけない、伝えていかなければいけない事ですね
今まで知らなかったこの手紙の存在。
コロナ禍の今年の夏。
そのお盆にこれを見つけたのは、祖父からの何かメッセージなのかもしれませんね。