75年以上前の手紙

父の初盆の為、夏休みは家族皆でほぼ実家におりました。

初盆の片付けの為、提灯などを片付けていると、今まで見たことの無い手紙やら写真が出てきました。

軍事郵便と書かれているので、戦時中に祖父が祖母に送った手紙です。

その当時は、番地もなく郵便が届いたのですね。

祖父に申し訳ないと思いながらも、中を読ませていただきました。

軽い気持ちで読み始めてしまったけれど、内容は、軽いものではありませんでした。

お仲間が負傷したり戦死したという事が書かれているもの。

生きて帰りたいと願っている祖父の気持ちが表れているもの。

祖父が祖母や子供、祖父の両親や兄弟を思いやる内容。

私が小学校3年生で亡くなった祖父。そんな私の記憶に残る祖父は、優しかったけれど、多くを語る人ではありませんでした。

その祖父が、思っていたこと。生きるか死ぬかで大変な思いをし、仲間をすぐ近くで亡くしてきた事。子供を亡くしていたこと。

初めて知る祖父でした。

昔、祖父を知る方から、「昔お世話になったんだよ。」「おじいちゃんはね・・・」と祖父への感謝を言われることも多かった程、人徳のあった祖父。

祖父のお葬式では、戦友の方が、「戦争には生きて帰ったのに病気に負けるなんて」と祖父の前で号泣していた方もいました。

人に慕われていた祖父。

私は幼すぎて祖父の事をちゃんと知らなかったけれど、手紙を通して初めて身近に感じる祖父です。

この手紙を書いている祖父は今の私よりもかなり若いはず。

そんな祖父がどんな思いをして、どんなことを体験して、私のおじいちゃんになったのか知らなかったけれど、無事に戦争から帰り、父を授けてくれたから私がいる。

そして息子がいます。

色々な思いがこみ上げてくる手紙でした。

戦後75年。

ドラマの中だけではなく、どこのご家庭のご先祖やおじい様おばあ様が経験していた戦争。

忘れてはいけない、伝えていかなければいけない事ですね

今まで知らなかったこの手紙の存在。

コロナ禍の今年の夏。

そのお盆にこれを見つけたのは、祖父からの何かメッセージなのかもしれませんね。